
今秋、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入したFFヒーター。設置報告の記事にダブるところもあるが実際使ってみたので今日は調べた事などもう少し詳しく書いてみようと思う。
琵琶湖畔の旅での使用は快適そのものだった。高価ゆえその償却は難しいがこの満足感だけで充分。みんなが口を揃えて「これは良い!」という意味がようやく分かった気がする。写真は設定温度になった時の消費電流。ルームランプの約半分という消費でどれくらい省エネであるかが分かると思う。

筆者のFFヒーターはドイツのエバスペッヒャー社エアトロニックD2。
車両燃料を使うため軽油タイプで凍結しにくい灯油も使用可能。バスコンの場合はワンランク上のD4が推奨となっているが超ショートはD2で充分とご教授。暖房能力は最大2.2Kwで七畳用石油ファンヒーターと同じくらい。あっという間に車内が暖まり余裕が感じられる。ロングボディでD2でも全く問題なさげに思うが寒冷地では違うのかな。
基本的にエンジンOFFで使用するものだが走行中に使うメリットもある。ディーゼルエンジンの車両ヒーターは暖まりが遅いし低温地域では冷却が勝ってしまいオーバークールになることがある。昨年の深夜大雪走行でもリヤヒーターの非力さを感じた(ベース車が低グレードなので)が今年は一味も二味も違う。ほかにもフロントガラスの曇りを除去したり凍結防止や濡れものの乾燥などにも有効だ。
燃料消費量は最大で1時間0.28リットルほど。常に最大はないので一般的に一晩(6時間)で約1リットルほどといわれている。ちなみに6時間アイドリングした場合は6~8リットル消費なのでかなり経済的。もっとも一晩エンジンかけっぱなしは周囲に迷惑をかける行為。
気になる消費電力については動作別に実測してみたのでそれは後述する。

構造図
ジェットエンジンを連想させる形をしているがもっと単純。原理的には後ろから冷気を吸って前から温風ってのはドライヤーの方が近いかな。人気のベバスト製ヒーターも構造は同じで車内冷気を吸い込んで熱交換器で温めて吐き出す。一方で燃焼側は車両燃料を専用ポンプで吸い上げて燃やすがその吸排気は車外で行うので車内の空気が汚れることはない。これまで無理やり使ってたカセットガスストープやファンヒーターとは決定的に違う。
設定温度は8~36度の1度単位で細かな調整ができる。それをキープできるようにコントロールユニットが自動制御。ブロアファンの速度、ポンプの動作速度、バッテリー上がりを防止する機能や異常時の安全装置など筆者が想像していたよりも遥かに賢く高性能なものだった。また故障が起こりうるグロープラグや気化プレート、ECUの交換は本体を取り付けたまま作業でき整備性も良い。

コントロールスイッチの表示部分は現在温度と設定温度が約2秒おきで交互に表示する。温度計アイコンが表示されている時が現在温度なので分かりやすい。
これまでアナログだったスイッチもデジタル式(スマートセレクト)が標準装備になって使いやすくなったようだ。自己診断機能が搭載されている点も安心。オプションではON/OFFタイマー付きのコントローススイッチやエンジンスターターのように外部からリモコン操作できるものなどオプションも充実している。

依頼先のトヨタテックス大阪さんはエアヒーター本体の格納箱まで制作してくれた。素人では思いつかない発想力と匠の技。ここは同じビルダーならではのキャビネットと同一の部材を使っているので後付け感が全くない。車内空気取り込み口と吹き出し口以外はほぼ密閉状態。存在感もなく綺麗にまとめてくれた。

吹き出し口は分岐してサードシート足元と横座りシート足元の2箇所

オプションの追加温度センサーを取り付けた。エバス社のエアヒーターは追加センサーの情報を優先するらしいので本体内蔵センサーに依存されにくい(ただし安全上、本体側が優先される場合あり)。ベッドマットなど暖まった空気の流れの障害がある場合、全体が暖まってないのに本体側温度で制御してしまうのを回避するため取り付けたが効果は正直よく分からない。

燃焼ガスを排出するマフラー

車両底面(車外)に取り付けられたエアヒーター専用の燃料ポンプ。車両燃料タンクより室内エアヒーター本体へ燃料を供給する。しっかり防振ゴムで防音対策されているが(後述)。
■FFヒーターの騒音について
筆者が感じる音は3種類。ひとつはブロアファン。これは車内でいちばん聞こえる温風の音。電源ON時には車内温度がまだ低いのでファン音も大きくなるが温度が上昇すれば回転も下がり小さくなる。設定温度より3度程高くなればファンが止まることもある。車内はすぐ暖まりファンも低速になるのでうるさく感じたことはない。
もうひとつは燃焼音。「シュボボーー」というバーナー音。車内ではファン音にかき消されてしまうのであまり気にならない。車外でも聞こえるがエンジン音に比べれば遥かに静か。冬場はどの車も閉めきっているし周囲に迷惑をかけるような事はないと思う。住宅街で深夜も使えるレベル。夜中バス内でごにょごにょ作業する筆者向けの仕様。
最後は燃料ポンプの作動音。「コチッ、、コチッ、、コチッ、、」と等間隔で時計の秒針のようにも聞こえる。これは心臓の鼓動のように燃料を送るため働いている音。暖房出力が大きい時はより多くの燃料を必要とするためその間隔が早くなるが出力が小さくなると遅くなる。上記どの音も設定温度を超えた時点で待機状態となって停止する。筆者がいちばん気になる音がこの燃料ポンプ。それほど深刻なものではないが車内床に響くので、、、

上記のオプションを検討中。どれだけの効果があるのか興味深い。
あと騒音ではないが燃料供給用の細いホースが少し気になった。「軽油の凍結」である。
ベテラン雪山男の話では3号軽油を入れてエンジン側の凍結の経験はないがFFヒーターはちょくちょく使えない時があるとのこと。当人は最初標高による問題だと思っていたがどうやらそれは軽油凍結で流動性がおちて着火できない症状。筆者は雪山に用はないが自宅近辺でもディーゼル車の凍結は稀にあるし寒中の車中泊はあるので関係ない話ではない。ホースに断熱材を被せるような対策もあるが素材に水を含んでかえって凍結を促進させるかもしれない。そのへんは何とかなりそうだが冷間地域で3号軽油を入れるのは鉄則。風向きをみて駐車方向を変えるのもかなり効果があるらしい。極端な話、専用タンクを積んで凍らない灯油に代える手段もある。そこまでの必要性は筆者の使い方ではなさそう。
■FFヒーターの消費電流

車内10度、設定22度で電源ON
最初の約3分間は6.5A~8.5A消費する。電力のほとんどがグロープラグに費やされ燃焼室内をぐんと温めて着火に備える。電源ONから約1分後燃焼が始まりブロアファンと燃料ポンプの動作がMAX。この後もグロープラグは通電しているが燃焼室が充分暖まるとグローの通電はOFFになる。
7.4Aは大きく感じるがたったの3分間。これは夏場に常時稼働のモービルクール(インバーター使用)と同じくらい。それに比べると短時間なので大した消費ではない。
グローOFFで燃焼室に供給された燃料は熱で自己発火(は筆者の勝手な解釈。もしかしたらラジコンエンジンのようにOFFったグローは燃焼熱で赤く焼けており着火を助けてる?でもグローは燃焼室外側についてるしみたいだし、、詳しい人おしえてm(__)m)

約10分後 室内15度 設定22度
体感的にはあっという間に暖かくなる感じ。消費は2.7A。電源投入3分後くらいから車内が温まるまではこれくらいの消費。以降設定温度に近づくとブロアファンが弱まって消費も少なめになっていく。

設定温度付近に近づくと燃料ポンプがストップしたり動いたりでファンは微弱で制御する安定モード。このとき0.5Aの消費。さらに温度が上昇すると内部的にスタンバイに入る準備をして最終的には全て動作が止まりスタンバイ。このときはほとんど0A。

車内温度が設定温度より下がり始めると再着火。
再着火時に燃焼室が高温の場合は燃料が気化して着火しにくくなるのでブロアファンで燃焼室の温度を一旦強制的に下げるとのこと。その後電源投入時より少し多めの9.4Aだがグロー通電は短め。
電源OFF時にもグロープラグは通電する。これは次回の着火精度を高めるために残留燃料やススを燃やして燃焼室をクリーンにするんだとか。
■まとめ
筆者は念願のFFがとにかく嬉しい。道行く人を捕まえて自慢したいくらいだ。その時はあれこれ利点やウンチクを喋りたおし最後は決まって、、、「でもなぁ、これなぁ、めちゃ高いねん!」とオチをいれるだろう。
いくら省電力・省燃費と言っても最大のデメリットはその高すぎる設置費用にある。新車や新規架装の時少し勇気をだせばボヤけてしまう金額かもしれない。しかし後付けするとなると生活もあるしかなりの勇気が必要だった。当時ケチった事を何度も後悔したが今となれば昔話。全てに置いて大満足。言うなればあとは喉がカラカラになるくらいかな。


























ポンプホルダーつり下げこんなんあったんですね。。。
うちはタラップでぶら下げてますけど角度問題ありますね