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1年半ものあいだ超ショートのメインバッテリーに繋ぎっぱの二刀流CTEK(並列で24Vに対応)

バッテリーを常に満タン状態にしておく優位性は前に書いたが、今回は二刀流で使用する MXS5.0JPの上位モデルMXS7.0JPと同等性能と言われる【MULTI US7002】に目をつける。べつに現状に不満があったわけではないが上位スペックにして安価な「US7002」に興味があり手にとってみた。記事は少しマニアックな内容になる。

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CTEK MUS 7002(MULTI US7002)シーテック バッテリー チャージャー 日本語簡易説明書付


自称 充電ヲタクの筆者がずっと前から気になっていたブツ。並行輸入ということで発売元が限られており品薄になれば値上がりや入手困難になる懸念があり思い切って1つ購入してみた。キャンプ用品にしてもシエラの部品にしても何度も痛い目にあってるので今回は先手を打ってでた。


結論を先言ってしまうとこのUS7002は「買い!」である。


日本仕様のMXS5.0JP、MXS7.0JPとスペック上の大きな違いは、以下。

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プロ用とされるMXS7.0JPと同スペックながら半額で買えてしまうUS7002。

しかし、どうも怪しい、安すぎる。。。と思うのも必然。

コンセント形状だけの違いで本当にMXS7.0JPと同等品なのか否か。が筆者のテーマである。もしこれが優良物件だというのなら超ショートの二刀流監視充電システムをぜひスペックアップしたい。最大出力電流7.0Aの実力は職業上よく分かっている。


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とりあえず失敗が怖いので1つだけ購入。

職場のMXS7.0JPと比較すると表面上のプリントが若干違うものの寸法やランプの配列は全く同じ。少し調べてみるとMXS7.0JPの旧モデル日本仕様JS7002のUS仕様モデルだと考えられる。


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コンセント形状はUS仕様ということで片方が幅広い。

その件については最初から削るつもりだったが意外に自宅コンセントでそのまま使えた。方穴の長いナショナル製コンセントなら大丈夫みたいな感じだが、超ショートの車内コンセントでも使えたので無加工でO.K.。良い意味で拍子抜けとなった。


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実際にバスのメインバッテリーに繋いでみた。

24V車のため筆者は2台のCTEKをそれぞれのバッテリーに並列つなぎで個別に管理する。画像右下にあるようにCTEK専用ソケットを壁面に2つ設置しているので既存MXS5.0JPからUS7002の機器換装もセッティングもこれまでと同様に簡単だ。

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補充電の考察 完結編(CTEK 二刀流)



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キャンプ用電源のM42バッテリーを宅内に持ち込んでじっくりカイセのテスターで観察。


とりあえず筆者が知りたいのは充電完了後の動作である。

常に繋ぎっぱなしにする筆者にとってこれは最重要事項。遅ればせながら本記事は「繋ぎっぱなし」に重点をおいて書いているので注意。CTEKの詳細は下記の過去記事で書いてるので省略するが、US7002のステップ⑦(フロートメンテナンス)のプロセスがMXS7.0JPと同一なのかどうか。

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結局、パルス充電器ってCTEKが良いの?



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MXS7.0JPの説明書

CTEKはステップ⑦に突入した時点で一応に充電完了ランプが点灯し通常ならこれで終わりとなる。ただ、ここからのCTEKの動作が秀逸でバッテリーを活性化しつつ本来の性能に戻していくこのステップ⑦は10日間にわたり実施される。(追記)なお、分析により優秀なバッテリーはこの10日間のステップ⑦を省略してステップ⑧に移行する事もある(US7002で確認済、7.0JPは未確認)。

11日目にようやくステップ⑧に移行し12.7Vまでの電圧降下を監視する。それを下回ると14.4Vの追充電を行う無限ループだ。この方法がバッテリーにほとんど負担をかけないらしく、以降は1年だろうが2年だろうが繋ぎっぱなしで95%から100%満充電を維持してくれるというスグレモノだ。

週イチや月イチにエンジンをかけバッテリー上がりを防ぐよりもCTEKは遥かに優秀で、それができない海外出張や消防団ポンプ、農機具など幅広く愛用されてるアイテムでもある。


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US7002の説明書

US7002には分厚い英文説明書が付属する。7.0JPの取説より詳しくない印象。しかもグラフは電圧と電流が逆になっているように思うし。。。一応に日本語簡易説明書も同封されているので一般的に困ることはない。恐らく基本的には日本仕様と大差ないと思うのだが。

7.0JP、US7002ともステップ⑦の電圧波形は直線に描かれているが実はちょっと違う。


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過去の調査によるとステップ⑦(フロートメンテナンス)の動作は・・・

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現在使用中のMXS5.0JPのステップ⑦は13.60Vを一定で10日間保持。こちらの電圧波形は一直線で単調なプログラム。5.0JPは8ステップ充電を8つのランプで表示するので状態が分かるのが良い。下記2モデルは⑦、⑧の状態ランプが兼用になっており判断できない。



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MXS7.0JP13.50Vを30秒間保持したあと自然放電(暗電流含む)する13.16Vまで待機し、13.15Vに到達した時点で再び13.50Vを30秒間保持する。切り替る時は本体内部のリレーが「パチン」と音を立てるのでよく分かる。まさに13.50V維持と13.15V監視の融合といったところでこのループをひたすら10日間繰り返す制御のようだ。

この30秒間保持はタイマー制御なのかカット電流で変動していくのかは長時間調査したわけではないので不明。もしかしたら後述US7002と同様の動作の可能性もある。



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そして今回導入のUS7002は、やはりMXS7.0JPと全く同一仕様というわけではなく、、

13.52Vを一定時間保持したあと自然放電する13.36Vまで待機し、13.35Vに到達した時点で再び13.52V維持をループする。恐らくこれを10日間。監視と維持の電圧差の違いはあれど基本動作はほぼ7.0JPと同じだと思われる。

13.52Vの保持時間は⑦移行4時間後で600秒と長く、15時間後には60秒程度、28時間後になれば20秒ほどになっていた。時間はその都度まちまちで規則性はないが全体的に短時間化の収束に向かっている。これはカット電流の制御か、あるいは乱択アルゴリズムが組み込まれてるのかは不明。知ったところでどうなることでもない。

7.0JPと同じかは不明だが、経過時間とともにバッテリーの状態が良くなれば放電少となり待機時間は長くなり、通電時間は逆に短くなっていく傾向にある。



追記
数度の実験で生き返ったM42バッテリーを再度充電してみたところ、10日間のステップ⑦を省略してステップ⑧と思われる動作に突入する事を確認した。これは良好なバッテリーを充電すると「
分析により不要と判断しステップ⑦を省略する」ということで、以前CTEK正規代理店に問い合わせた返答通りとなりMXS7.0JPも同様の可能性あり。


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一応に13.52Vを維持してOFFとなるきっかけの「カット電流値」の調査もしてみたが、寸前に著しいパルス波があり測定できずオシロスコープが必要。筆者の憶測では70mA~100mA程度かと。。。



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結果的にMXS7.0JPとUS7002とでは仕様がほんの少し違うことが分かった。

これがバッテリーにどう影響するのか筆者にわかるはずもないが、US7002が安価だからといってコスト重視の単純な造りではなかったという結論だ。おかげで日本仕様が高価すぎるという印象に変わった。それはさておき、CTEKの新旧に限らず各メーカーともフロート充電の考え方には特徴がありこれといった正解はないということなのだろう。


筆者の見解では一定電圧を10日間保持する現在のMXS5.0JPよりもUS7002の方が活性化に良い働きをしてそうなので「これはアリ」。と判断し、

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もう一つポチってUS7002の二刀流監視充電を遂行することにした。

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新・二刀流監視充電システムの構築完了!

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しばらくは動作観察のためテスターを繋いで運用する。

CTEK分析の妨げになる?安物ワットメータ(誤差0.03~0.05V)はシャント抵抗を通さず並列つなぎで単純な電圧計として使う。テスト中はより高精度なカイセのテスターも使用。


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冷静になると自分という人間が気持ち悪い(汗)

再びメインバッテリーを充電してみたところ、2台とも状態が良いと分析されたのかここでもステップ⑦に移行せずステップ⑧と思われる動作になった。

具体的には14.42Vを保持(約8秒間)したあと12.86Vまで放電(約270秒)させる5分周期のループ。筆者が想像していた⑧の動作は本格的な補充電だったが少し違った。それに7.0JP説明書には12.70V監視とあったがUS7002は12.86V監視ってことなのか。

ステップ⑦⑧は上限下限の電圧が違うだけでやってることはほぼ同じだったってこと?

追記
気温21度。3度目のバッテリーAの充電。US7002ステップ⑧移行後24時間後に計測してみると上限は14.42Vと変わりないが監視電圧は12.86Vではなく12.91Vで約6分周期。どうも監視電圧も変動するらしいこのモデルに温度センサーは搭載されてないはず。ということは7.0JPの取説みたく環境によって12.70V監視の制御もあるかもしれず、今更ながら全く同じ可能性も浮上?

独自の分析により監視電圧の決めてるのか、予め設定された電圧を経過時間で変動させてるのかさっぱり分からないが、その多様な制御には常に驚かされる。何も公表してないのがまたにくい。さすがに素人の力で全てを把握するのは難しかった。

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さらに追記
上記の1週間後に確認してみたところ、通常?の12.86V監視となっていた。その際、14.42V保持は5秒ほど。この先さらに電圧が下がって12.70V監視になるのかはまだ未確認だ。

さらにさらに追記
ステップ⑧から11日くらい経過したある日、
ステップ①から通常の充電をしているのを確認。どういうキッカケで作動したのかは不明だがステップ⑧はやはり秒単位の追充電だけではないようだ。



これより下は独り言なので読まなくてもOK,

初回テストで気になったのは充電後の測定でもう片方のCTEKは約20分のあいだ無音状態(内部リレー作動音が確認できず)で仕事をしていない事。こちらは自然放電が微量ってこと??


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(過去画像)

じつは2個あるバッテリーAの方は、かねてから自然放電の早さを少し感じていたのでその影響か。バッテリーの劣化あるいは暗電流(後述)、もしくはバッテリー自体の個体差が考えられる。

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13.10VのバッテリーBは約5分で0.01V落ちており最終12.87Vから0.01V落ちる時間はなんと1時間以上。それらをふまえると推定で約10,000秒。つまり、バッテリーAは約5分周期のループだったがバッテリーBは3時間周期? 14.42Vを維持する時間は約60秒を確認。こちらも状態により制御されてるようだがさすがにそれ以降は3時間もテスターとにらめっこはできなかった。

単調なMXS5.0JPを使ってたので気づけなかったが、こんなにバラツいていたのか?

念のため充電を一旦中止し、CTEKを入れ替えて充電してみたがやはり前方バッテリーAの放電が多くステップ⑧の監視充電は短時間ごとに行われていた。


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超ショート入手から少し気になっていたのは12Vを横取りしている配線があること。通常はタブーとされる電源の取り方だが筆者に覚えはない。もともとの純正なのか架装時の処理なのか。

直列24Vの暗電流は問題なかったが、もしかしてこの横取り12Vの暗電流の影響?

劣化や個体差の問題なら交換で対処できるが、もし正当な暗電流であれば対処のしようがない。結局はこのままCTEKに頼るしかないということか。


疑惑の配線を調査してみたので追記

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疑惑の配線の電流はほとんどゼロ。

横取りされた暗電流が原因ではない!という結論。配線を架装元に問い合わせたところ、これは架装で設置した配線ではないとのことだった。筆者も覗き込んでみたところ図太い純正配線に合流しているのを確認した。何の配線なのかは不明のままだがこの案件にはもう関係ない。。

ということは、バッテリーの劣化か個体差か。

もしバッテリーが劣化ならCCA値で判断できる。なので久しぶりに計測してみた。

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両方のバッテリーとも「良好」。しかも結構な好成績(詳細は次記事で)。

ただ、意外なことに自然放電量の多いバッテリーAの方が高い評価(CCA値)になった。これは超ショート自体の暗電流を直列バッテリーで電流分担する際、内部抵抗の少ない良好な方、すなわち電気を取り出しやすいバッテリーが多く流れるという理屈で合ってるのか。

たしかに放電の多いAの方が補充電時間が短く吸収が早い。電気を取り出しやすいということは溜まりやすいとも言えるのか。放電量が多いのは劣化に直結する思っていたが車上になると真逆だったりするってことか。憶測ばかりだがもしそうなら筆者は完全に間違っていた。ターミナル端子を外して調査すれば分かるがそこまではもうしなかった。

何れにしても、消去法でいくと自然放電の差はバッテリー特性の個体差であるのが濃厚。通常時ならAの電圧が下がると内部抵抗の均等がとれるだろうしそこまで問題はなさそうだ。そして現状2台のバッテリーが良好である以上、交換を考える必要はない。しばらくは様子見してみようかと。



いま記事を読み返してみると憶測がほとんどで文章が雑で分かりづらい。実証しながら書き進め、間違いがあるとその都度編集の連続で時間がすごくかかった。まぁこんなマニアックな内容を誰が最後まで読むのかという気もするし、ここは筆者の「気色悪い独り言」ってことで。



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一年半以上お世話になったMXS5.0JPにひとつは兄に譲り、もう一つは予備として持っておくことにする。バイク用バッテリーの0.8A充電は何気に重宝するしヨメ号のエヌボやシエラの補充電機として使用できる。大きなバッテリーの充電には不向きであったがメンテナーとして使うには充分な性能であったのも特筆しておきたい。


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未対策であればバッテリーを弱らせてしまう頻度少の超ショート。決して理想の形とは言えないが、

幸いガレージには外部電源があるので管理はできる。転送式インバーター回路でまずサブバッテリーは未来舎すぐれもの充電器で監視充電。そしてメインバッテリーはCTEK二刀流で監視する。どちらのバッテリーも物理的限界とされる10年使用を目指しているがさすがに無理っぽいかな。