
「チタンクッカーの炊飯は実際アリなのか?」の検証。
熱伝導率の低いチタンは炊飯が苦手とされる一方で、少しの工夫で克服できる話も有名である。現在ソロクッカーの見直しをしている初心の筆者にとってこれはやっておくべき事案であった。今日は宅内で4つのパターンを実験。

放ったらかし炊飯の秀逸性は何度も体験してきた(豪雨の中でも)
誰でも簡単で失敗しにくい。これに尽きる。
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エスビットと固形燃料、流行りのメスティンなどアルミ製クッカーで放ったらかし炊飯する神の技術。心の底から世に広めた人に感謝したい。

我が家の炊飯が得意なクッカー達。奇しくもすべてユニフレーム。
左から山クッカー角型3、UFダッチオーブン8インチ、fanライスクッカーDX。アルミ製の角型はいつも一軍。ちびダッチは重いので持っていかない。一番美味しく炊けるライスクッカーはファミキャン用。たしかソロ用のミニサイズも商品化されていたはず。ちょっと欲しい。
つまり炊飯に一番適するのはアルミ製との認識でいいらしい。
熱伝導率の一覧
- チタン 21.9
- ステンレス 26.0
- 鉄 83.5
- アルミ 236.0
- 銅 403.0
一見すると熱伝導の優れた銅製が魅力にみえるが専門的には比熱とかいうのが関係するらしくアルミの方が蒸らし工程に適するという。ちょっと何言ってるか分からないが理想形は厚みのある羽釜とか。たしかにライスクッカーDXは分厚かった。

果てなきクッカー沼。調理なんて殆どしないクセに。
もはや収集家レベルか。そう自称すると不思議と「沼」への罪悪感がなくなることに最近気づいた。比較的新しく入手してるのはスタッキング性の良いエバニューのチタンクッカー。

そんなことで新しい一軍はエバニューの浅型タイプで考えたい。
しかしどうしても炊飯用のところで立ち止まってしまう。炊飯が得意な山クッカー角型は形状的にこれらとスタッキングできず別の荷物になってしまう残念さがある。

とはいえエバニューの浅型にフィットするアルミ製品は意外に選択肢が少ない。
基本的にオートキャンパーなのでコンパクト化に拘る必要はない。とくに筆者はあれもこれも持っていきたいおバカなので悩むことすらおこがましい。しかしチタンミニクッカーでこれまで通りの炊飯ができるなら文字通り「コトは丸く収まる」のだ。上手いこと言ったつもり。
はい。むだに長い前置き終わり。

とりあえず4つのチタン炊飯テスト(4つ目は思い付きなので画像なし)
実験は画像左から行う。筆者はいつも固形燃料を使うがアルコール燃料を使うのが最近お気に入り。基本的に放ったらかし前提のため途中で手を加えたらアウト。
- ①エバニュー570カップ 0.8合 固形燃料(焦げあり)
- ②エバニュー400カップ 0.5合 トランギアアルスト(火加減で中断)
- ③スノピ極チタン(小) 0.5合 エバニューアルスト(大成功)
- ④エバニュー400カップ 0.5合 セリアの即席アルスト(成功)
今日はお昼に子供たちが学校から帰ってくる。とのことで自動的にこれらは彼らのお昼ごはんになる。実験とはいえ重要任務。失敗しても楽しい~♫ などとほざく余裕は一切ないのだ。
①エバニュー570カップ 0.8合 固形燃料30g

チタンで炊飯する唯一の工夫はユニフレームのバーナーパッドにある。
チタンは炎のあたる所にしか熱を伝えないがこれを使えば鍋底全体に熱を伝えることができる。つまり焦がしにくくなる。同じような事でホームセンターの銅板を切って使う人もいるようだ。
基本の水量は重量に対して米の1.5倍。そのまま30分浸漬する。野営ではいい加減になりがちだがこれは材質に関わらず失敗を避けるための儀式となる。風の影響は著しいので屋外は風防が必須だ。
熱源にあてる時間は基本的に12分~18分位が放ったらかし炊飯の理想値(気温26℃)
熱源とクッカーの距離・火力によっても大きく左右する。水量・浸漬時間・火にかける時間も季節によって調整する必要があるがあまり神経質になるのはよくない。よくないがそれらを考慮した成功の喜びは言うまでもない。

570カップEBY278RのフタはベルモントのシェラカップリッドM/BM-076を使った
エバニュー純正の570専用フタも存在するがあえてベルモントを選んでいる。ゴトクはお馴染みエスビットポケットストーブ。固形燃料はニチネン。この時期にしてはやや多めの30g。

フタが軽いのでオモシにちびパンを使用

失敗! さっそくチタンの洗礼を受ける。でも、楽しい~♫(フラグ回収)
20分経過しても火が消えず焦げ臭いような気がしたので慌てて下ろしたが遅かった。途中で手を出したので実験は失敗。ただし微量のコゲを除けば幸いにして充分食べれるレベル。やはり夏の室内で30gの固形燃料は多すぎた。
筆者はその域に達してないが慣れてくると耳で状態が分かるようになるという。しかし実験は放ったらかしの一発勝負。必要なスキルだと思うが実験結果は変わらない。

チタンの焦げ付きは重曹で煮るべし。なにぶん初使用なので過保護・・。
②エバニュー400カップ 0.5合 トランギアアルスト(火加減失敗)

お次はトランギアの真鍮製ストーブで半合炊き
クッカーは名品名高いエバニュー400FDカップEBY265R。フタは同社マルチディッシュEBY280
をそっと被せる程度。十字ゴトクはEBY258。そして忘れてはならないバーナーパッド。

バーナーパッドは2枚あるので実験②は③と同時進行

燃料は30ml。まぁこれくらいかなという感じ。

実験②は吹きこぼれが激しく確実に失敗する予感があり中断した。
これは筆者の準備ミス。トランギアストーブの炊飯は火力調整蓋をしないと強火すぎる情報をすっかり忘れていた。調整蓋は全開でも小さい穴を塞ぐので理想の弱火になるらしい。気を取り直して再開しようとすると・・・

火力調整蓋をすると十字ゴトクが設置できないことに気付く
エスビットポケットストーブも試したがトランギアは高さが合わず直置きになり論外。これは今後のために対応したゴトクを用意しないと。。。

そんなことで急遽セリアの即席アルストで炊飯を再開
そういえばセリア案件の前記事で炊飯に挑戦したいとホザいてたのであとの実験④で最初からテストすることにした。

中断した時点で実験②(左)は失敗だが炊きあがりは成功。実験③は大成功。
蒸らしは10分したので問題ないと思うが中断した方はかすかに芯が残る食感。見た目は良いが先程焦がした実験①に近い炊きあがりだ。出来栄えに関してはほぼコゲもなく通常レベルで成功と称しても良い。とりあえず美味しいと思えば筆者的に成功なのである。
③スノピ極チタン(小) 0.5合 エバニューアルスト

実験②と同時進行したエバニューのチタンストーブEBY255の半合炊き。
クッカーはスノピ極チタンの小鍋。ゴトクになるストーブスタンドは通常とは違い上半分だけを使用する。
熱源とのクリアランスを小さくすることで火力を半減させ燃費をあげる。30mlの燃料をちょうど12分くらいで燃え尽かせて都合が良い。チタンではないが過去にしたことがある炊飯キットなのでやや自信あり。
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こちらも蓋のオモシにちびパン。現地なら石とかになるのかな。

極チタンの鍋(右)は内蓋なので吹きこぼれにくく炊飯に有利
肉厚もエバニューより全体的に厚い。これらが炊きあがりにどう影響するかは不明だが。

圧力IH炊飯器に負けず劣らずの炊きあがり。オコゲも一切なし。
おとなりの②と食べ比べてもはっきり分かる。チタン製でもふっくら美味しく炊きあがった。アルコールストーブとチタンクッカーの完全なる放ったらかし炊飯。これがまぐれでないことを願う。
ちなみにスノーピークのソロセットは「極」のチタン製、「焚」という同サイズのアルミ製も存在していたが今調べてみるといつの間にか廃盤になってるようだ。料理特化のアルミ製も人気だったはずなのに少し残念である。

わりと使用頻度が少ないクッカーだが小鍋は湯沸かしにも便利。縦長の大鍋は箸が届かない。個人的にパスタを茹でることに特化したイメージが強い。
④エバニュー400カップ 0.5合 セリアの即席アルスト

セリア製品で作る220円の即席アルストの0.5合炊飯
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ゴトクはエスビットポケットストーブ。クッカーは400カップ。このなんちゃって即席アルコールストーブでもちゃんと炊飯できるかがちょっと興味深い。燃料は30ml。

即席セリアは火力が弱い印象だが本燃焼に入れば炎の広がりが凄い。やはり安定性に少し難があるのか。エアコンの風が気になったのでバーゴのアルミ風防を設置した。

10分ほどで鎮火してしまい不安もあったが意外に良い炊きあがり

オコゲも無い。あえて言えばやや芯が残る感じはするが通常なら気にならない。
10分足らずの燃焼で炊飯できてしまったこの結果をみると意外に燃焼時間よりも炎の質が鍵を握ってるのかもしれない。この即席アルストの無駄に広がる不安定な火力が偶然を生み出した可能性がある。いやーこれは奥が深い。

とりあえずこのご飯はTKGで消費。ふつうに美味かった。
筆者はわりと少食なのでオカズがある時は0.5合のご飯で丁度いい。ソロ炊飯は1合炊きが基準になってる事が多いが皆んなホントにそんなに食べるのだろうかと思ってしまう。
この400カップのサイズ感がすこぶる優秀だった。すり鉢状のシェラカップより寸胴形状が断然使いやすい事実。ハンドルが畳め収納性は抜群。今日使った400や570カップは湯沸かしはもちろん食器代わりとしても期待以上。そのまま炊飯もできてしまったので更に好印象だ。
結論
チタン製のミニクッカーでも放ったらかし自動炊飯はできる。
情報通りバーナーパッドを使えば失敗せずに炊ける。ただ、かすかに芯が残るので蒸らし工程を少し考える必要があるのかもしれない。個人的に実用レベルだと思うがやはりストレスなく炊けるアルミ製が捨てがたい。炊き込みご飯など調味料を使うような炊飯はチタンでは不安という正直な見解もある。
筆者はとりあえず欠品中のUL/ALUナベ 700の再販を待つことにする。本日使用した570や400が綺麗にスタッキングできるので入手できればかなり嬉しい。まぁ自己満足の極みであるが。
しかし、じつはこの記事を書きながらポチってしまった別のブツがあった。

エバニューバックカントリーアルミポットだ!
筆者は知らないがかつて人気を博しながらも廃盤となってしまったロータス製アルミポットをエバニュー社が復刻させたというシロモノらしい。

焚き火に吊るしてガンガン使う妄想はもう誰にも止められやしない
伝説の鍋だか何だか知らないが、いまの筆者にとってアルミ製でありソロ炊飯に適した形状とサイズ感に心打たれてしまうのは当然の成り行きである。
そしてこれは一か八かの賭けであったが、コイツが新たに加わり、

これらを!

こうすることが可能になった!!
嬉しすぎて別記事にしたいのでここまで。



























